こども家庭庁創設で5年後はこう変わる!#4 小規模保育の機能を考える
- 未来産業株式会社

- 2021年9月9日
- 読了時間: 8分
更新日:2022年3月12日
【残り5年で激変する保育業界の荒波を乗り越える集中研修】
厚生労働省は「令和3年5月26日厚生労働省子ども家庭局保育課「保育を取り巻く状況について」」の発表で、『保育所の利用児童数のピークは令和7年』と発表しました。
これは、いよいよ需給バランスが崩れ、企業ブランド(保護者からのイメージ)、マーケティング(新規顧客層の創造活動)が求められる時代になりました。
また、近い将来、「公定価格の見直し」や「包括的な報酬体系(介護保険制度)」が行われた時、多くの保育事業者は、経営的な打撃を受けます。
それらに“備えた法人づくり”を進める集中研修を開催します!
皆さん、こんにちは。
未来産業の宮田です。
これまで3回に渡り、「こども家庭庁創設で保育業界がどう変わるのか?」
についてお伝えしてきました。
第一回目は、こども庁の基本的な役目や予算配分の考え
第二回目は、保育園、幼稚園、こども園に起こりうる変化と役割
第三回目は、企業主導型保育事業が推進すべき事業と求められる役割
について、これまでお伝えしてきました。
バックナンバーは、ブログからご覧ください。
第四回目の今回は、小規模保育がどのような機能を持っていく必要があるのかについて、
一緒に考えていきたいと思います。
最近も「小規模保育の新規参入(実績ゼロ)」の独立希望の方たちから数件、
経営相談を受けていますが、特に実績ゼロの方々が参入するタイミングは終わったと感じています。
(実績ゼロの方は、この2~3年はM&Aが増えるのでそちらに目を向けるべきです)
また、既に保育園(認可外、小規模保育)をやっているから公募している自治体へ応募していく。
こちらについても戦略なき保育展開は避けるべきタイミングになってきました。
もし、法人の戦略で、
・参入する自治体で認可保育所やこども園を開園する計画がある(やりたいし、公募している)
・既に認可保育所やこども園を開園しており、本園の3~5歳の定員ボリュームを増やすための募集機能として小規模保育を新商圏に開園する
の2つの理由ならばお勧めしますが、安易に小規模保育だけの展開は、計画を見直したいところです。
避けるべき理由は2つあります。
①(コロナウイルス感染症が一体いつまで続くかわかりませんが、、)0歳児の出生数減少と入園希望数の大減少
②今年からさらに増加するこども園の脅威
①については、皆さまも過去3年間の4月地点の入園数を比較してみると変化を感じられている事業者の方も多いかと思います。
この半年、小規模保育の経営の実態について調査しましたが、
基本的に駅近の小規模保育以外、損益分岐点に至っていないまま夏を迎えるという小規模保育の園数が全国的にも多くなってきています。
東京都23区についても、同様の現象は起こってしまっています。
2010~12年頃に、(認可保育所の株式参入が増え)全国の認可外保育所の経営が悪化してきた頃にすごく似ています。
何が似ているかというと、
年間を通じて、収支がトントンとなり、何とか日銭を稼ぐことができるかできないかの間になるのではないかと危惧しています。
0歳児の入園数が減るのだったら
“保育園に入園する前の保護者と一番最初の接点を持つ仕掛け”が重要になっていきます。
自治体の計画では、小学校区か中学校区に1つは、
地域子育て支援拠点事業のひろば事業を推進する事業計画がありますが、なかなか進んでいない事実もあります。
進んでいない理由は明確で、利益がトントン乃至は、5%程度しか残らない事業になっているからです。
利益が残らないからやらないか?
それは、そうとは言えません。
認可保育所についても、
保護者と早期接点を持つ機能として、地域子育て支援拠点事業を行っています。
認可保育所もトントンで経営しています。
でも、なぜやっているかというと保護者接点を一番最初に持ち、体験や預かりを3回以上おこなった人の入園率は70%を超えるという正攻法があるからです。
残念ながら小規模保育については、
自治体がルールを定めることから地域子育て支援拠点事業を併設乃至は、施設内に作ることを許す自治体は稀です。
であれば、マタニティや入園検討中の保護者と早期接点を作る方法を考え、窓口を自社で持つことをしなければなりません。
今後ますます出生数が減少し、問い合わせ数も減る最中、入園率を高めていくことが保育事業者に必要な力となります。
しかし、入園前のマーケティング機能を持ったから安全というわけではありません。
それは、理由の2つ目である「今年からさらに増加するこども園の脅威」についてです。
昨年から今年にかけて、
全国的に、自治体へ相談されている認定こども園化の案件数が増加しています。
その増加のプレイヤーは幼稚園です。
幼稚園は競合になりえるのか?
もちろん、0~2歳の保育量を提供していないこども園も多いのですが、
幼稚園のこども園化が増えた時、今後脅威になります。
現在、肌感覚ではありますが、
乳児を持つ子育て家庭は、保育園の待機通知が出ているが故に育児休暇を伸ばしているのではないかと感じます。
コロナウイルス感染症拡大により働き方の変化もありましたし、
このような家庭が増えると1歳以降の入園、遅ければ2歳から入園ということが考えられます。
ご存じの方も多いかと思いますが、こども園の満三歳児クラス(保育園では2歳児クラス)は、無償化の対象であり、預かり機能が充実している幼稚園は、保育園と変わりないサービスを享受できます。
となると、小規模保育にとっては、せっかく1歳で入園してきたが、
1年少しで退園して、卒園を待たずに出ていくという流れが出てくる可能性があります。
となると小規模保育事業においては、
せっかくマーケティング機能を強化して入園率を向上させたとしても
卒園を待たずして、退園することは多くなってくるかと思います。
(実際に、地域の保育園、こども園の1,2歳の空き定員が増えているなら注意は多いに必要です。)
となると、
これまでのサービス(商品力)で、現在の顧客層(お客様)を対象としていては、
残念ながら今のままの経営状況は維持できません。
では、何をすればよいのか?
・一時預かり事業
・病児保育事業
・障害児保育
などの不足しているサービスに目を向けることです。
一時預かり事業についても余裕活用型ができない事業者にとっても
一時預かり専門施設を併設できるような対応が必要です。
また、小規模保育事業者にとってブレークスルーになる可能性が高いのは、
地域型保育給付の事業所内保育所(20名以上)です。
結構、新規開園の柔軟性が自治体についても欠けているように感じますが、、
40名程度の0から5歳の事業所内保育所を創設することで、
3~5歳の受け皿を担うことです。
事業所内保育所の場合、
自主整備が多く投資はかかってしまうのですが、問題点は、3~5歳の受け皿がないから
保護者は小規模保育に入園しないという構図を解決することです。
小規模保育をドミナント展開しているならば、
その近くに、「2歳児枠の定員合計×7割」の量を3~5歳で確保する事業計画を考えましょう!
園庭がない等の課題はありますが、
この5年の延命策としては有効手になる可能性が高いです。
最後に、ご案内です。
コロナウイルス感染症を受け、最もダメージが来ているのは、
0~2歳児を中心として預かりを受ける施設ではないかと思います。
特に、経営のかじ取りが緊急的に必要なのが小規模保育事業であるかと思います。
もし、あなたの保育園があるエリアが
・年々、保育利用量(保育利用対象人口)が減少している。
・保育利用量に対して供給(定員数)が上回っている。
・現在、0歳児入園の数は減ってきている。
・今後こども園が増えていき、満三歳児クラス(2歳児)の無償化を利用する保護者が増加
するとしたら残念ながら0歳から2歳児のみの預かりを行っている事業所の閉鎖が今後進んでいきます。
緊急的に、
・減少する利用者層の入園率を高める
・利益が出る経費へ変更していく
・現場で働く保育従事者の魅力を高める
の3つを同時並行で行っていかなければなりません。
もちろん、認可保育所や幼稚園、こども園の経営者にとっても
このままの出生数ならば保育利用量は減少していくため、
公定価格が変更されるまでに、3つの力を高めていかなければなりません。
小規模保育事業者にとってはすぐにでもやらなければならないこと
認可保育所、幼稚園、認定こども園事業者にとっては準備していき、圧倒的地域一番のシェアを誇る法人へとなっていかなければなりません。
そのような機会を提供できればと思い、
ゲスト講師をお迎えして、集中研修を行うことになりました。
4日間の内容は、
1日目 理事長や代表の頭にあるビジョンを可視化、数値化して未来の事業計画を創る
2日目 地域で圧倒的一番のシェアを誇る園づくり~マーケティングプラン~
3日目 保育従事者の力を最大限発揮してもらい、人事生産性と利益率を高める~次世代型マネジメント~
4日目 園ではなく法人に対しての帰属意識を高め、理事長や代表の考えに共感した法人をつくる
と、事業計画立案から売上向上、利益向上、組織力強化までお話しいただきます。
4日間全ての研修を受けることはもちろん、興味のある日だけ参加も可能です!
(日程が合わない場合には、後日にはなりますが動画配信を予定しています。
もちろん、当日参加した方にも振り返りとして映像をご覧いただけます!)
お申込みも以下のURLから頂けます!


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