現場保育士から理事長・経営者に反発が出てきた時に足りていない1つのコミュニケーションとは?
- 未来産業株式会社
- 2021年4月30日
- 読了時間: 5分
皆さん、こんにちは!宮田です。
これまで、現場の意思統一ができていない現象の2つを見てきました。
本日は、最終回で
「複数園となり、ひとり一人とのコミュニケーションが不足してきたな」
「経営者のNo.2,No.3が充分に育っておらず、TOPの考えを代弁してもらえないな」
と感じている経営者様にぜひ、やってほしいコミュニケーションについてご紹介します。
「もう一園開園しよう!」や「新規事業をやろう!」と短期間で物事を進めていくと、
現場職員の反発(強い反応・感情)が出ることがあります。
原因はなんでしょうか?
第一回目の「相手を理解」するが原則的な原因であり、
新しい環境となり、荷が重たくなるというネガティブなイメージが
先立ってしまうため、経営者に近い現場保育士は反発することがあります。
もちろん、経営者がこれまで“信頼してきた保育士”の言葉(表の感情)を聴くことは
非常に重要ですが、それは、本音(真意「真の気持ち」)ではないパターンが多いです。
現場保育士にとってみれば、
『現状の園の様子が未だうまくいっていないのに、何をやろうとしているのか、
本来ならば、こちらにもっと着目すべきであろう!』
というのが真意なのです。
少し考えていただきたいのですが、
「現場職員の求めていること = 経営者が求めていること」
の状態になっていないから生まれてきているのです。
求めていることの対象は、
・子どもに対して
・子どもの保育や活動、給食等生活に関して
・保護者の支援に対して
・職員間の関係に関して
・給与や休日など労務管理に関して
・私自身(現場保育士)の課題に対して
と様々な要因があるのですが、
経営者として、職員個々がこれらをどのように考えているか把握しているでしょうか?
前回、最も組織が危険な状態のブログで
No.2の育成やマネジメント体制のお話をしましたが、
マネジャーに把握してほしい内容は、もちろん現在、職員がやっている保育が結果(子どもの成長等)がでるものとなっているか技術指導も大切ではあります。
また、園長、マネジャーについては、成果が出る“結果”に対して、どのような“原因”の構成要素があるのか、分析できる力も必要です。
しかし、園長やマネジャーには、
それ以上にやってほしいのが、一人ひとりの職員が
最低でも上記6点について、
①正確な現状
②明確な理想
③具体的な課題
について知らなければなりません。
「思い」がうまくいっているのか、うまくいっていないのかを図ってあげるのが、
本来マネジャーが存在する理由であり、その「思い」と法人の「思い」を一致させるのは、
職員個人の「思い」に共感し、救済するからこそ、我々の「思い」にも共感してくれるのです。
そして、理事長や経営者の仕事は、
コミュニケーションを密に行う対象は、
それらを把握している“園長”や“マネジャー”から組織個々の個性や能力を垣間見て、
より良い方向性(ビジョン)へと職員皆を指導していくことです。
仮にA園に素晴らしい個性が育ってきているのであれば、
その個性をより多くの人(子ども・保護者・地域住民)への救済、貢献できる領域は何でしょうか?
理事長や経営者が理想としているビジョンに対して、
個性が育っていないのならば、
・どんな人財が不足しているのか?
・どんな制度が不足しているのか?
・どんな育成体制・研修が不足しているのか?
をどのように解決していくのかを考えていかなければなりません。
といいつつも、
短期間で成長しようという理事長や経営者は別の手段で
短期的に理想の法人や社会を創っていきたいかと思います。
そんな経営者におすすめなのは、
全社会議や従業員全員へのTOPレターを定期的に行うことです。
全社会議は年一回でもよいですので、
①理事長や経営者がなぜ、創業したのか<思い>?
②理事長や経営者は、どのような理想の未来・社会を描いているのか?
③そのために、私たちが努力することは何なのか?
④理想の未来・社会が実現することで私たち(全職員)の生活がどのように変わるのか?
を定期的にお話しして、懇親(信頼貯金)を深めることです。
特に、④は、園長やマネジャーの役割でお伝えしたことであり、
皆の仕事や生活の基準が上がる点についても“良いイメージ”を描いてあげることが大切です。
また、TOPの理想が浸透しているかどうかを図るのに有効な策は、
毎月のTOPレターです。
理事長や経営者への共感が高い従業員は、
「先月のTOPレターってどう思った?」と聞いてあげると
・全く読んでいない人(信頼度最低)
・軽い気持ちで表面の言葉だけ読んでいる人(信頼度低)
・園に対しての帰属意識が高く、思い・気持ちを受け取ってくれている人(信頼度中)
・法人に対しての帰属意識が高く、思い・気持ちの具体的な実現像を受け取ってくれている人(信頼度高)
がすぐにわかります。
ぜひ、最低でも上記2点は、法人としての習慣的な取り組みとしていただければ、
各園で強靭な信頼関係を築く“土台”となっていきますので、定期的なメッセージの発信(共有)を行ってください。
「“共感”を得たいのであれば、“共有”しないことには始まらない」
心に留めていただき、何を共有すべきなのか、園にいる職員のひとり一人を思い浮かべながら考えてみましょう。
最後に、1~3園の少数規模の法人で、
TOPに対して、反論が出ることの原因は、
TOP自らが「運営システムの“一部”となっている」ことが問題であるケースが多いです。
現場職員が「●●さん(経営者)がいないとわからない~」と依存する体制を作っているため、職員に対しても親離れしてもらう必要があります。
そんな時には、「保育士から反発が出た最高レベルで注意すべき現象」の記事で書いたように、次世代園長、マネジャーの育成において、経営の一部の仕事を任せられるように会議体を整えていくところから始めていきましょう。
1園の場合には、
難しいかもしれませんが、経営判断する様子をその人にも見てもらうべきです。
経営者は何に悩んでいるのか?
「自分たちの生活で精一杯と考える従業員」の視点から「多くの従業員・子ども・保護者・地域住民の生活を救済しようとする社長」の視点へと引き上げていきましょう。
そのためにも、No.2にしていきたい人とは、
時間を過ごす中で、
・子どもに対して
・子どもの保育や活動、給食等生活に関して
・保護者の支援に対して
・職員間の関係に関して
・給与や休日など労務管理に関して
・私自身(現場保育士)の課題に対して
どのような考えを持っているのか理解する時間を持ちましょう!
以上で、「組織内で反発が出る法人の3つの要因」とそれぞれの課題が良い方向へと行く考え方や実践内容についてご紹介しました。
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