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未来の売上を予測する方法

  • 執筆者の写真: 未来産業株式会社
    未来産業株式会社
  • 2022年10月3日
  • 読了時間: 7分



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こんにちは、いつもお読みいただきありがとうございます。 服部雄太(はっとりゆうた)と申します。


前々回の『商圏内需要予測』前回の『広報戦略と保育サービス価値』に続き、 今回は、『地域におけるシェアの高め方』の分析や皆さんが現状シェアによって取り組む内容の違いについて紹介します。 令和7年以降、いよいよ(市場規模が上がり続けた)成長期から(市場の縮小する)成熟期へとは入っていきます。

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そうなると経営についても「現在地(正確な現状)」を知り、「理想」との「ギャップ」を埋めることができる良い結果を生み出す要因を知る必要があります。


今回は、ギャップを埋め、理想に近づく経営分析の2つの考え方である

1.3C分析

2.シェア理論

の2つ目である「シェア理論」についてお伝えしていきます。



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「シェア理論」はもともと「ランチェスター戦略」といえば、ご存知の方も多いのではないかと思います。


イギリスのフレデリック・ランチェスターが、1914年に起こった第一次世界大戦で「ヒト」「モノ」「カネ」などの資源から考え、どちらの国家が優位性を持つのかという研究で提唱されたものです。


経営の現場においても、

戦力的に優位である「強者」と戦力の劣る「弱者」それぞれの視点に立ち、どのような立ち回りをすれば戦局が優位に運ぶか、現在でもシンクタンクやコンサルティング会社において分析で行われています。


そして、経営における『戦力』を現す指標が『シェア』になります。


皆さんの園のシェアの算出方法は“2つのステップ”になります。

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①商圏内対象人口×保育所利用率=(商圏内)保育所利用児童数

②在園児数÷ (商圏内)保育所利用児童数=シェア率

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となります。


では、一つひとつ項目について説明していきます。


●商圏内対象人口とは、

定員設定のある年齢の内、『第一次商圏』にいる人口を指します。


●第一次商圏とは、

在園児数の70%が通う範囲を円型に形どったものであり、

・『送迎あり』の認可、幼稚園等は半径5km

・『送迎なし』の認可、幼稚園等は半径3km

・小規模保育は半径1.5km

となっているケースがこれまでの経験上多いです。


この第一次商圏が皆様の園に通う可能性大の子育て家庭範囲となります。


●保育所利用率は、

各自治体で公表されていることが多いですが、

令和四年現在の全国平均値は、

・0〜6歳全体 50.9%

・1.2歳 56%

となっており、半径1.5kmから5kmの対象人口に掛け合わせると保育所に通う児童数が算出できます。


●商圏内にいる人口については、

『町丁目人口 (年齢別) ○○市』などネット検索いただけると、

○○丁目単位で0〜4歳(5歳区分)で住んでいる人数がわかるので、商圏内にある丁目の人口を全て足し合わせます。


ここまでが私たちの園がある市場のポテンシャルであり、

残念ながらこれ以上の人口は、大きな町の開発がない限り、通っていただくことはできません。


この数値を知っているだけでも、

今後先細りしていくのか、まだあまり減らずに済むのか、減っていくのかを理解することができます。


また、保育園は有難いことに、

自治体が充足人数をまとめてくれています。


商圏内にある競合園の人数を合計した時に、

商圏内の


①商圏内対象人口×保育所利用率=(商圏内)保育所利用児童数


の解を上回っている場合、供給過多になっていることもわかり、

園児募集戦国時代と言えます。


これまで、地域一番の幼稚園、こども園のコンサルティングをしてきましたが、

地域一番の園ほど正確にこの数値を把握して、

園児募集戦略や経営戦略(人口のあるエリアへの新事業等)を計画的に行なっています。


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②についても触れていきましょう。


①の算出に工数がかかりますが、

②の『在園児数÷ (商圏内)保育所利用児童数=シェア率』

は簡単です。


●在園児数は、

現在通っている子どもの人数の総数になります。


また、場合によっては、一時預かり、子育て支援事業、未就園児教室の商圏内の参加人数を足し合わせて、別に数値を管理することも良いです。


その人数を①の解で割るとシェア率が算出できます。



このシェア率によって、

今後のマーケティング戦略の優先順位がわかります。



●シェア3%以下の場合、非認知シェアと言われ

・特徴が明確でない

・特徴が市場属性に合ってない

・特徴が充分に伝わっていない

の3つからなる現状の結果です。


そして、多くの場合、

充分に伝わっていないが大きな要因(広報活動の不足)となります。


広報戦略で触れました『一時預かり事業を3回以上利用した保護者はそのまま入園する』の傾向にあった広報活動を行うことで、入園見込み者が集まります。


一時預かりの他、子育て支援事業、未就園児教室など、入園前に一度、園に足を運ぶ機会を創出するために、


広報枚数×広報回数×広報内容(質)


のそれぞれの項目を前から順に高めていきましょう。



●シェア7%の場合、商圏内で存在が認知されていることを指します。


シェア7%以下も基本的には、

3%と同じく広報活動がポイントとなり、

『広報内容』の精度が特に求められます。


保護者からは

『あ、あそこの園がこんなことをやっているから行ってみようか』

という印象のため、入園後の子どもの成長を疑似体験させるための施策を行います。


例えば、在園児が行事でやっているやっている内容を親子で体験できるとか、

親子で作ったものを家に持って帰って、家族の話題の中心になる取り組みです。


この園では、

入園後に子どもがこんな体験を通じて、成長していくんだなぁという体験機会を創出してください。


●シェア11%の場合、影響シェアと言われ、

何か行動をおこすと明確に他社に影響が出始める段階となります。


私たちも出張に行くと、

タクシーに乗って『○○保育園までよろしく!』と伝えた時に運転手が分かる状態です。


いわば、何かの取り組みがハマれば、

シェアが大きく動く状態の法人を言います。


基本的に、10年以上、園を運営していれば、

このレベルに行っている可能性はあります。


このレベルの園は、


広報枚数×広報回数×広報内容

のどれかを変えるだけで大きな結果が出ることがあります。


また、今後、シェア26%のトップシェアを目指すために、“コンセプトをより可視化“していくプロセスもポイントとなります。


うちの園は、よそと違ってこんなことが体験できるよー。そしてこの体験を通じて、こどものこんな変化、成長の事例がたくさん出てくるよー


というメッセージを明確にするプロセスです。



●シェア15%の状態は、優位シェアと言われ、一般的に、地域2番園シェアとなります。


2番園シェアの主な取り組みは、

上にも触れたコンセプトメイクです。


シェア11%との違いは、

戦術レベルの広報を変えること以上に、

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私たちの園に通うことの成果(成長)

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を明確にし、小手先の広報活動ではなく、“伝えていくプロセスの精度”に取り組む戦略レベルの取り組みをしていきます。


もちろん、地域1番園シェアが近くに存在するのですから

・地域1番園との違いは何か?

・地域1番園では体験できない私たちの独自領域は何か?

・地域1番園と質量ともに優位性があることは何か?

・逆に地域1番園から劣っていることは何か?


など、地域1番園を徹底的にベンチマークして、洗い出し、地域1番園がカバーできてない領域を見つけていきます。


また、地域1番園シェアになる上では、

顧客を知るための『保護者アンケート』の徴収がよりポイントになります。


実際にやってみたイベント、行事、在園児の入園、進級、卒業などの出会いから別れ(卒業)のプロセスで、

・体験を通じて子どもは、どのように変化(成長)したのか?

・変化を体感した事象はどんなものだったか?

・子どもに成長を感じた時の言動変化は何か?

保護者が体験した感動を明らかにすることです。


半信半疑かも知れませんが、

これのシェア率によって、取り組むだけでも収益は大きく変わってきた保育所、

幼稚園、認可外などを多く見てきました。


ぜひ、今日のメールのプロセス分析は、

園長や主任、これまで現場で活躍してくれた家族外の職員含めて一緒に取り組んでみてください!


次回のメールでは、

●シェア19%以降の成果を誇る法人の取り組み

●シェアアップ(収益化)の広報戦略まとめ

を触れていきます。

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